SSブログ
中国の寓話 ブログトップ
- | 次の10件

2013-02-24 [中国の寓話]

精衛鎮海 (中国の寓話)seiei.jpg

 発鳩山には枯れた木が山一面にびっしりとあった。そこに奇妙な鳥が一羽棲んでいた。形はカラスに似ていたが、頭には綺麗な花のような毛があり、くちばしは真っ白で足は赤く名前を「精衛」と言った。

 鳴く時はいつも「精衛、精衛」と自分の名をさえずっているのだった。

 精衛は元々は炎帝の子で「女娃」と言う名前だった。ある日、「女娃」は東海で泳いでいておぼれ、不幸にも帰らぬ人となったが鳥に生まれ変わった。

 その後、鳥になった「精衛」は、発鳩山の枯れ枝や小石をくわえ長年東海に運びつづけたお陰で東海は陸地に変わりおぼれる人は誰もいなくなった。

(これは深い仇をむくいること。或いは困難を恐れず最後まで頑張って目的を達成することのたとえ)

「精衛」とは古代中国の伝説中の小鳥の名前。

{述異記}より
     

2012-06-09 [中国の寓話]

ryuu.jpg                        上帝殺龍

   墨子が北辺の斉国に行く道で一人の占い師に出会った。

   占い師;「今日は神様が黒い龍を殺す準備をなさっておられる。貴方は黒い顔だから殺されるのでこれより北へ行っはなりません」。

   墨子は無視してなお北に行くと大きな川に阻まれて引き返してきた。
   占い師;「言った通りでしょう。殺されるから行けないんです」。

墨子が言う;
   「南の人が北へ行けず、北の人が南へ行けない。皮膚の色の黒白でどうして川を越えられないわけがあろうか?
   もし、神様が{甲乙}の日は東方で青い龍を殺し、{丙丁}の日は南方で赤い龍を殺し、{庚申}の日には西方で白い龍を殺し、{壬癸}の日には北方で黒い龍を殺すなら、貴方の説法では人は皆道を往くことはできないではないか!

   これは天下の人民をだます行為である。馬鹿な迷信を言いふらすな!」と叱りつけた。

   (墨子は2000年以上前の現実主義思想の持ち主で、進取の気性に富んだ科学者だからこんな迷信を一蹴した)

   {墨子}より

細腰を好む [中国の寓話]

hosokoig.jpg                          細 腰

   周王朝の時代、楚の霊王は腰の細い婦人を好んだ。それを聞いた国中の女性は皆ダイエットに励み食を減らした。そのためいきすぎて、病気になったり餓死する人が多かったと言う。

  この話の続きはまだまだあって、例えば、越王は勇者を好んだので多くの人は王の好みに合わせて死ぬことを軽視し命を捨てた。

  また、桓公が美味しい料理を好むと、料理人の易牙は珍しい料理で主君に媚びるため子供の頭を蒸して献上した等など、いくらでもある。

  人の上に立つ者は自分の好みを慎しまねばならぬ。さもないと下の者は迎合し、とんでもないことをやらかし秩序が壊れる。

   {韓非子 二柄}より

ジャッキーチエンを思い出す [中国の寓話]

goetuss.jpg                          呉越同舟

  呉の国と越の国は絶えず戦ってばかりいる宿敵同士であった。ある日、この両国の人が同じ船に乗り合わせた。
  当然の如くお互いそっぽを向いていたが、中流域にさしかかった時突然強風が吹き荒れあわや沈没しそうになった。
  事ここに至って両人とも恨みを忘れ、それぞれ右手と左手のように互いに助け合って急場をしのぎ、難を逃れた。

  これは「絶体絶命の死地においてはたとえ敵同士であっても団結し事に当たれ」とのたとえ話。

  この話は「孫子の兵法」にあり、兵を死地におけば、心を一つに固め強力な軍になる。「背水の陣」もまた同じ。


  写真は「呉越同舟」で遭難しかかった龍虎山の渓谷とされる場所。

  ついでに同じ「孫子の兵法」で兵士を「蛇のように使いこなせ」と言う「常山の蛇」がある。
これは「常山」にいる蛇は、頭を叩くと尾で反撃し、尾を叩くと頭で反撃し、腹を叩くと頭と尾で反撃してくる。
  兵士をこのように訓練しろと言う。このくだりを読むとなぜかジャッキーチェンを思い出してしかたがない。

  {孫子}より

精衛、陸地を作る [中国の寓話]

seiei1.jpg精衛鎮海

 発鳩山には枯れた木が山一面にびっしりとあった。そこに奇妙な鳥が一羽棲んでいた。形はカラスに似ていたが、頭には綺麗な花のような毛があり、くちばしは真っ白で足は赤く名前を「精衛」と言った。

 鳴く時はいつも「精衛、精衛」と自分の名をさえずっているのだった。

 精衛は元々は炎帝の子で「女娃」と言う名前だった。ある日、「女娃」は東海で泳いでいておぼれ、不幸にも帰らぬ人となったが鳥に生まれ変わった。

 その後、鳥になった「精衛」は、発鳩山の枯れ枝や小石をくわえ長年東海に運びつづけたお陰で東海は陸地に変わりおぼれる人は誰もいなくなった。

(これは深い仇をむくいること。或いは困難を恐れず最後まで頑張って目的を達成することのたとえ)

「精衛」とは古代中国の伝説中の小鳥の名前。

{述異記}より

太陽と駈けっこした若者 [中国の寓話]

hokoru.jpg夸父追日
  「夸父」という名の若者が太陽と駆けっこをし、太陽が山に落ちる寸前にやっと追いついた。

  そして夸父はとても喉が渇いたので黄河と渭河の水を飲み干した。
   でもまだ飲み足らず急いで北にあると言われる大きな湖を目指したが、途中で喉が渇き死んでしまった。

  この時、大変長い杖を落とした。後にこの杖から根がでて成長し、あたり一面見渡す限りの桃畑になった。

(身の程知らず、能力をはるかに超えた願望を持つ事のたとえ)

   {山海経}より
- | 次の10件 中国の寓話 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。