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 視 肉 (神秘で珍奇な薬) [中国の寓話]

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  南方にある蒼梧山は古代の天子だった舜とその子の商均が埋葬されている所である。時移り荒野と化したここは、奇禽怪獣が出没する魔界とも言える。

  そこには「紫貝(後に貨幣となる珍しい貝)」、鷹、熊、象、虎、豹、狼、「離朱(一種の神鳥で長い三本の足がある)」、「神蛇(一見車の心棒に似ていて頭が赤く体が紫色の蛇)」、それに視肉など奇怪な生き物が棲息している。

  その内、「視肉」はとても変わっていて、見たところまるで「一塊の肉」のようで、形は牛の肝臓みたい。二つの小さな目がある。

  この「視肉」の肉はいくら食べても食べきれないのだ。どうしてかと言うと、食べるしりからすぐに別の場所から生えてきて、元の原形に復帰するので気味が悪く食べる気がしないそうだ。

  学者の研究によると、「視肉」は生物と菌類の中間物で原質体生物に属し、人類と一切の生物の祖先だそうだ。

  本草網目にある「肉芝」がそれで、神秘で珍奇な薬として珍重されている。

  {山海経}より
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