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南轅北轍 [中国の寓話]

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  紀元前三世紀の戦国時代、太行山のふもとで一台の馬車が北に向かっていました。

通行人;「どこへ行くんだ?」
御者 ;「楚の国へ行くんだ」

  「楚の国は南だよ、どうして反対の北なんかへ行くんだ?」
  「これは優秀な馬だ、どう向かおうと必ず楚の国に行き着くんだよ」

  「いくら優れた馬でも方向が間違ってますよ」
  「心配ない。旅費はうんと有る」

  「お金の問題じゃないんです、楚の国へなんか行けませんよ」
  「そんなことないよ、私はプロの御者だよ心配するな!」と言って北へ走り去った。

  これは魏の大臣である李梁が魏王に献策した時の話。

  要するに魏王が天下を取るに強大な楚国と戦わねばならないのに、弱小国の趙国を打とうと策を練っているのを戒めて、そんな事をしていれば、ますます楚国からへ離れていくと馬車の話を持ち出したもの。

  結局、大臣の李梁の献策を受け入れ趙国との戦いを中止した。

{戦国策 魏策}より
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