SSブログ

伯楽一顧 [中国古典]

haku.jpg                      伯楽一顧

   昔、市場で駿馬を売ろうとしている人がいて、毎日毎日この馬がいかに良い馬かを人々に語り見せたが、いっこうに関心を示す人がなく三日がたった。

   そこで伯楽を訪ねてお願いをした。「私は駿馬を持っています。売ろうと思い三日も市に立ち続けましたが誰も買ってくれません。
   どうか貴方が私の馬の周りをぐるっと一回りして、仔細に観察なさったうえ、立ち去り際に振り返って下さるようにお願いします。
   お礼は必ず致します」と言った。

   伯楽はそれではと願いを聞き入れ、言われたとおりにひと回りし、最後に振り返って立ち去った。

   すると、我も我もと大勢がほしがり、一朝にして値段が十倍に跳ね上がった。

{註;伯楽とは馬を見分ける名人で、今も昔もこの名を知らぬ中国人がないくらい有名人}

   その道の達人が関心を示したとなれば、すぐにとびつきたくなる俗人の心理をついたもので、これは今の世でも同じ。皆さんつい騙される。

   なお、日本では私の子供の頃は、馬を扱う人を博労(ばくろう)とよんだ。伯楽と博労は中国語の発音が同じなので「広辞苑」を調べたらやっぱりそう書いてあった。

   {古文真宝}より
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。