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笨人掬豆(なぜ、黒豆に尾が生えたん?) [中国の寓話]

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  隋朝の時代、一人の百姓が畑で収穫した「黒豆」を車にいっぱい積んで町で売ろうと道を急いでいた。ある川べりにさしかかった時車輪が石に乗り上げてひっくり返り、「黒豆」が全部川に落ちてしまった。

  とてもじゃないが一人で水からすくいあげるのは無理だと思い、一度村へ引き返し家族の応援を得ようとその場を離れた。

  たまたまこの川べりを歩いていた人たちは、「黒豆」が川の中に浮かんでいるのを見て、もったいないからと次々と水からすくいあげ、きれいさっぱり全部持ち去った。

  しばらくして百姓が応援部隊を引き連れてやってきたが、そこにはただ千匹以上のオタマジャクシの大群が浮かんで遊んでいるだけだったのだが、百姓は「黒豆」だと勘違いし、水に足を入れると一斉に「黒豆」が水の底に消え去った。

  百姓はなぜ「黒豆」が驚いて逃げたのかわけが分からず、長い間ぼんやり突っ立ったままだった。そしてわずかの間に「黒豆」に尾が生えていたのかどう考えても合点がいかなかった。

{中国古代寓言 作者不詳}より
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