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待ちぼうけ [中国古典]

machib.jpg                         守株待兎

   韓非子の{五蠹}に「守株待兎」と言う有名な寓話があり、童謡の「まちぼうけ」の歌詞の五番目まで読むと、この寓話の意味する所がよく分かる。

   宋の国で畑を耕している農民がいた。ある時、そこへ跳び出してきたウサギが畑の中にあった切り株にぶつかり、首を折って死んだ。
   労せずしてウサギを手に入れた農民はそれ以降畑仕事をやめ、毎日切り株を見守り、再びウサギを得ようとした。しかし二度とウサギはぶつからず、農民は国中の笑いものになった。

   法律家の韓非子はこの寓話を借りて「世の変化に対応せず、古い成功例をひたすら守ろうとする儒学者の愚かしさ」を譬えるために示したとされています。

   現代に生きる私達は、棚ぼたの待ちの姿勢ではなく「積極的にチャレンジしなさい」とのメッセージとして受け止めたいもの。

   韓非子は生来の吃音で上手に言葉が話せず、その分、文章は巧みだったそうです。

   なお、韓非子は厳しい「法」を科すように主張するこわもての人に見えますが、この「守株待兎」のような優しい
寓話を沢山書いています。

   参考までに「まちぼうけ」の歌詞をあげますと…、(山田耕筰作曲、北原白秋作詞)

待ちぼうけ、待ちぼうけ。ある日、せつせこ、野良かせぎ、
そこへ兎が飛んで出て、ころり、ころげた木のねつこ。

待ちぼうけ、待ちぼうけ。しめた。これから寝て待たうか。
待てば獲(え)ものは駆けて来る。兎ぶつかれ、木のねっこ。

待ちぼうけ、待ちぼうけ。昨日鍬とり、畑(はた)仕事、
今日は頬づゑ、日向ぼこ、うまい伐り株、木のねっこ。

待ちぼうけ、待ちぼうけ。今日は今日はで待ちぼうけ、
明日は明日はで森のそと、兎待ち待ち、木のねっこ。

待ちぼうけ、待ちぼうけ。もとは涼しい黍畑、
いまはあれ野の、ほうきぐさ、寒い北風、木のねっこ。

{現代語訳文}
   宋国有個耕田人、田地中有一個樹株、一只兎子駆来衝到樹株、折断頚子死去了。
   這個耕田的人従此放下中手的農具、守候在株傍、希望再得到兎子。
   兎子不可能再次衝上樹株、而他自己却被宋国人嘲笑。
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